昨今、新卒者の間でベンチャー企業への関心が高まっています。
従来の大手企業に比べて、ベンチャー企業は柔軟な社風と独創的な働き方を提供し、新入社員にも大きな裁量と責任が与えられます。
しかし、一方でベンチャー企業は人手不足や教育制度の未成熟さなど、特有の課題も抱えています。
明治大学理工学部で、HP販売やアメリカ留学を経験し卒業後、ベンチャー企業の社員第一号として就職。ベンチャー企業や英語、プログラミングについての情報を発信。社内では「ムードメーカー」の異名を持つ27歳。
本記事では、ベンチャー企業の魅力と課題、そして大企業との比較を通じて、新卒者がベンチャー企業を選択する際の考慮点を探求します。
ベンチャー企業の採用戦略や新卒者にとってのキャリア形成の可能性、さらには市場価値や転職時の評価についても考察し、新卒者が自らのキャリアをどのように築いていくべきかについての洞察を提供します。
【新卒からベンチャーに行く前に】そもそもベンチャー企業とは
広辞苑や法律で、ベンチャー企業の明確な定義はありません。
一般に新しいビジネスモデルや革新的な技術、独創的なサービスを用いて市場に新風を吹き込む新興企業のことを指します。
これらの企業はしばしばスタートアップとも呼ばれ、高い成長潜在力を秘めていることが特徴です。
多くのベンチャー企業は、従来の産業構造やビジネス慣習に挑戦し、革新的なアイデアや技術を通じて新たな市場を切り開くことを目指しています。その過程で、資金調達や人材確保などの課題に直面しつつも、柔軟性と迅速な意思決定が彼らの強みとなっています。新卒者にとってベンチャー企業は、大企業とは異なる独特の働き方とキャリア機会を提供し、自身の能力を存分に発揮し成長する場となり得るのです。
新卒からベンチャー企業に就職することが流行っている背景
多くの分野でITが導入され始め、今まで社会になかった機能が社会に求められるようになったためです。
また、ベンチャー企業自体が増えており、新卒でベンチャーを志願する人も目立つようになってきたことも大きな理由の一つとして考えられます。
実際新卒でいきなり活躍することは難しいとは思いますが、能力さえあればなんでもやらせてもらえるので、実力が反映されやすいベンチャーは多いのではと思います。
新卒からベンチャーに行くリスク・危険性
- 倒産のリスクもある
- 裁量権は最初からあるものではない
- 箔がつかない
- 社内の雰囲気が合わないと厳しい
- 研修制度が整っていない
それぞれについて実際に働いて感じるポイントを記載してきます。
倒産のリスクもある
倒産リスクはもちろんあります。
私も一度在籍している会社のバーンレート(1ヶ月あたりに消費されるコスト)からあと3か月後に倒産する。という目途が立った時があります(笑)結局何とかなった(何とかした人がいる)のですが、いきなり職がなくなる可能性も0ではありません。
裁量権は最初からあるものではない
これ大学生と社会人の一番のギャップだと思うのですが、あえて私が断言しようと思います。
2023年現在、大手にせよベンチャーにせよ、大学生が最初から活躍できる環境なんてこの世にありません(笑)。
これは世の中にいる大学生が全員無能であるということを言いたいのではなくて、大学生と社会人で求められることが全く異なるからです。あえて、言語化するとすれば、評価されることが変わります。個人的には、大学生・社会人は以下のことが評価されると考えています。
- 大学生は、1日1人で100問に解き、90点以上取ること
- 社会人は、10日間複数人で10問ずつ解き、100点取ること
が評価されます。ポイントは、社会人になってからは100点でないと評価されないという点ですね。(めちゃ難しいです。)
箔がつかない
大企業の箔は尽きません。。。
ただ、ゴリゴリに仕事をこなしていけば、「営業で100万円以上の商品を受注した」等の実績は20代の内からついていきます。
社内の雰囲気が合わないと厳しい
最初から10人程度しかいない会社に所属すると、多くとも3グループくらいの人間関係になっていると思います。つまり、その3グループと打ち解けることができないと社内で取り残されることになります。
研修制度が整っていない
研修制度は整っていない可能性が高いと言えます。
個人的に、あるように見えて研修にはなっていないのではないか?と考えているものは以下の2つです。
- OJT(直属の上司が、業務について相談に乗ってくれる)
- 1 on 1(担当者が、業務に限らず悩みを聞いてくれる)
「研修体制が整っている」の定義は、それぞれ持つべきですが、個人的には、「外部or内部の講座等、しっかりとそれに対して準備を行っている人がいてそれが提供される機会がある」と定義しておくと良いと思います。
よくある誤解
1つだけ、よくある評判について反論したいことがあります。
それは、「安定していない」という評判についてです。
大前提、役員でない場合、給料は一定額振り込まれますし、有給もあります。さらに、やとわれである以上「失業保険」や「年金」等もつきますので、契約が「役員契約」でない限りベンチャー企業は安定はしています。
新卒でベンチャーに行く価値
- 自分の好きなことをやりたい
- 自分の性格と社風があっている
- 若いうちから活躍できる
- 自由な風潮が強い
「成長ができる環境」が手に入ります。と歌っているベンチャー企業もありますが、大学生目線でいえば、ぶっちゃけどの企業でも成長はできます。
その中で、社風や自分のこだわりがマッチして、活躍できそうだと感じれば行く価値があります。(だいたい直感はあっています。)また、ここで失敗しても、第二新卒も引く手あまたです。
実際、ベンチャー企業でしか働いたことがない私(26歳時点)ですが、転職スカウトは山のように来ます。以下のように大手企業からのスカウトもあります。
自分が行ってみたい!と感じる企業にしっかりとオファーを出しましょう!
新卒からベンチャー企業に向いている人の特徴
- 自ら発信する能力が高い人
- コミュニケーション能力が高い人
- 将来起業を視野に入れている人
荒野に1人頬りだされても、生きていけるような、経済力や体力がある人が向いています。本当に0からというか、むしろマイナスからのスタートで、マンパワーでしっかりと稼げる人にはおすすめです。
新卒からベンチャー企業に向いていない人の特徴
- 安定志向が強い人
- しっかりとした研修を受けたい人
- マニュアル通りの仕事をしたい人
以上。安定志向の人、しっかりとした研修を受けたい人、ある程度マニュアルに沿って仕事をしたい人。絶対ベンチャー企業はやめた方が良いです。断言します。大手企業の内定を死ぬ気でとってください。
新卒からベンチャーへの就活を成功させるコツ
まず、「自分があっているな」と感じることは大前提としてください。その後は、会社のフェーズによって何をアピールすべきは異なりますが、ザっと以下のイメージでよいと思います。
創業年数 | 就職難易度 | 内部情勢 |
1~2年目 | 簡単 | どんな人でも欲しい |
3年目 | 他の企業と同じ | 社会人経験がある人が欲しい |
4年目 | 難しい | 力を入れていくべき領域で、実力がある人しか採用したくない |
5年目以降 | 他の企業と同じ | 社会人経験があり、特定の分野で自走できる人が欲しい |
拡大期以降 | 他の企業と同じ | マニュアルを読む読解力と、自走できる人がほしい |
拡大期(マニュアル通りに動ける人1人で、これくらいの売り上げになるという計算が立つ)までは、その時時々で就職の難易度は大きく異なります。内部情勢毎に何を売りにして話した方が良いのかを考えてください。例えば
- 4年目:力を入れていくべき領域を明示し、それの実績を証明<例>Webマーケでリード獲得100アカウント/予算
- 拡大期以降:ある程度教育機能が整った中で学習ができ、結果を出せるという証明<例>TOEIC・簿記など
新卒からベンチャーまとめ
十人十色の人生があるので、新卒でベンチャーに行く人も大手に行く人も一定数います。
つまり、新卒の時点で自分がその時点でできる最良の決断を行い、悔いのない決断をできればその先問題なく出世できるはずです。優秀な人材は常に求められているので(笑)
どの会社に入るかも大切ですが、どのような場所であれば自分が活躍できるのかを考え、会社を選ぶことがオススメです!それでは!
明治大学理工学部で、HP販売やアメリカ留学を経験し卒業後、ベンチャー企業の社員第一号として就職。ベンチャー企業や英語、プログラミングについての情報を発信。社内では「ムードメーカー」の異名を持つ27歳。