【ジブリ・君たちはどう生きるか】7/17に見てきた感想・レビュー

テレビ広告や事前予告等を極端に控えて公開された「君たちはどう生きるか」。7月14日の公開から3日たった本日、映画館に見に行きましたので感想を記載していこうと思います。

感想

私(27歳会社員男性)は、上映中、映画の内を全く理解できませんでした(笑)。ほんと、初めてのデートとかにこの映画は絶対やめた方が良いです!!!逆に議論好きのカップルとか、考察好きのご夫婦とかにはおすすめです!

映画を見終わってから数時間考え続け、見えてきたものがありますので、そちらをご紹介させていただければと思います。(私の勝手な解釈を混ぜていますので、映画で描写されたものから飛躍して記載していることがあります。また、話を簡略化する関係上あえて触れていない描写などありますので、気になる方はどうか映画館に足を運んでください!)

映画の内容(ネタバレアリ)

第二次世界大戦の開幕した日本。戦争は激化し、関東の一部地域では空襲されるようになり、子供たちは学童疎開を開始する。この社会情勢を受け、小学生の真人(まひと)は父親の実家に避難することになる。

実家に移動すると父親の再婚の妻(なつこさん)が出迎えてくれる。真人の実の母親は空襲の被害により亡くなっており、実家に来てなつこさんと会うことで真人は母親が変わったことを受け止めなければいけない状況下になる。さらにこのなつこさんは既に妊娠しており、実の母親が生きているうちから父親と不倫関係にあった可能性も真人を苦しめる。

実の父親は、戦時中の航空機の製造工場の管理職で当時の大金持ち。実家にはタバコが好きなキリコさん等個性的な4名のおばあちゃんが世話係として24時間体制で勤務している。そんな家の1人息子の真人の転校初日に父親は、当時高級品であった自動車で送りとどける。このことで、真人は同級生から妬まれることになる。同日の帰路では学童疎開するほどの田舎ということもあり、妬みを買った農業を営む同級生に取り囲まれてしまう。しかし、真人は喧嘩が強くその場にいた同級生を全員喧嘩でのしてしまう。真人は、このままでは喧嘩で圧勝してしまった自分が悪役になると察し、頭を石で自傷する。

このことを聞いた父親は、怪しからん同級生がいる学校に真人が行かなくて済むよう、校長を買収する。これにより真人は学校に行かなくなり、実家で多くの時間を過ごすようになる。

実家で長い時間を過ごすようになると、真人は「青いサギ」をよく見かけるようになる。青いサギは、真人をどこか別の場所に連れていくために、真人に話かけるようになる。話かけられる内容は「お前のお母さんは生きている。もし会いたければ、一緒においで」といったもの。真人はこの誘いを無視し続ける。しかし青いサギは最終的に、妊娠中のなつこさん(父親の新しい妻)を誘拐する。真人は、新しいお母さんをまだ受け止められない心情ではあったものの助けに行くことを決心する。

真人は、最後になつこさんを見た場所から捜索を開始し、最終的にある屋敷に到着する。この屋敷には、青いサギと青いサギの飼い主と思われる「大叔父」というおじさんがいた。

この大叔父は、真人を見て「なつこさんのいるところまで案内してあげなさい」青いサギに伝える。このセリフと同時に、青いサギと真人は屋敷の地面に吸い込まれ、落ちて行く。

地面に吸い込まれると青いサギはおらず、そこはたくさんのペリカンがいる無人島だった。その無人島の奥には大きな岩があり、大きな岩の前には「近寄ると死ぬ」という注意書きがあった。その注意書きまで近づくと、ペリカンが一斉に真人に襲い掛かり岩に近づけ殺そうとする。

しかし、若い日のキリコさんがこれを助け、無人島を船で脱出する。若い日のキリコさんはこの世界で、唯一「命の殺生」を行える職業についている。具体的には、魚を殺し魚の内臓を利用して、「ワラワラ」と呼ばれる妖精を育て、真人が元居た世界で生れ落ちる赤ちゃんを創る。「ワラワラ」は一定上の魚の内臓から栄養を得ると、人間として生まれるため、ふわふわと空に浮いていくのである。

その様子は何とも幻想的なのだが、実はこの「ワラワラ」はペリカンの大好物。食べられると「ワラワラ」は死んでしまうため、キリコさんは必至で阻止しようとする。ここでキリコさんの他に、このペリカンの捕食を妨害しようとする”ひさこさん”が現れる。”ひさこさん”は火を自由に操ることができ、その火でペリカンを追い払ってしまった。

これを機に、”ひさこさん”は真人がこの世界に落ちてきた目的が「なつこさんの救出」であることを知り、協力することを誓う。ここから”ひさこさん”と真人は、ペリカンやインコをはじめとする鳥類の捕食行為にさらされながら、なんとかなつこさんのいる場所にたどり着く。しかし、なつこさんは血が繋がっていない真人を自分の子として受け止めきれないという心情から真人の救助を拒否する。この間に”ひさこさん”と真人はインコに捕まってしまう。

インコに捕まった真人は、夢で「大叔父」と再会する。大叔父は、この世界の創造主であり管理人。死期が近づいているためこの世界を継続して管理してくれる人を探しているということを告白する。実は真人はこの大叔父の血縁関係に当たり、この世界を管理できる資格を持つ一人であることを知らされ、夢から覚める。夢から覚めるとこの夢の真相を確かめるため大叔父のもとへ向かって脱獄する。

一方、インコに捕まった”ひさこさん”は、直接大叔父のもとにBossインコの手によって連行される。 Boss インコらが”ひさこさん”を連行した理由は、「鳥の世界の拡張」であった。大叔父によってつくられたこの世界は人間の世界とは別空間にあったが、この空間は既に鳥によって開拓し尽くされており、これ以上鳥を増やすことができずにいたからだ。「人間がこの鳥の世界に入ってきたのだから、鳥も人間の世界に入っていっていいだろう」と、世界の創造主の大叔父に交渉しようとしていたのだ。

しかし、交渉の結果、大叔父の答えは「時間とくれ」だった。大叔父はこの世界を作った当初のルールが機能していなくなっていることに気づき、自分では解決できないことを察していたのだった。そこで次の世代となる真人にこの世界を想像しこの件について解決策を講じてもらうことを期待していたのである。

その後、大叔父のもとに到着する真人。大叔父は、この世界がどのように成り立っているのかを示す、今にも崩れ落ちそうな「積み木」を真人に指し示す。加えて、「この積み木のに新たなパーツを入れるならどれが良いか?」と手にあるパーツを真人に紹介する。すると真人は「この中のパーツは全て悪意に満ちているから、この中からは選べない」と言葉を発します。これを聞いた大叔父は、「そうか、、、」と言って、いかにも崩れ落ちそうな積み木を見守ります。そこに、Bossインコは「ふざけるな!」と言い放ち、自ら積み木を組み直します。しかし、無情にもその積み木は崩れ折り、この鳥の世界の崩壊が始まります。

崩壊が始まると、人間の真人・”なつこさん”・”ひさこさん”・”キリコさん”は、それぞれの元の世界に帰っていきます。

これで、鳥の世界はなくなってしまったが、当初の目的であったなつこさんを取り返すことに成功しました。真人はこの旅を通じて、なつこさんを母親と思えるようになれたこと、また、うまくいかないシステムを新たに構築する勇気を手に入れたこと、さらに今はたばこ好きでどこもリスペクトできなそうなおばあちゃんでも昔はしっかりと仕事を全うしていたという事実を知り、尊敬の念を抱くようになり、成長を遂げたのでした。

私が感じたメッセージ

現代の先代の日本人が作ってきた制度は崩壊しつつある。この崩壊しかけの制度を改修し、もう一度立て直そうとしているものもいるが、その者が提案する改修方法はその者の私欲に満ちたもので、本質的には何も解決できない。だからこそ、今の若者は新たに自分たちの制度を作り直さなければならない。ゼロからやり直すこともあるかもしれないし、崩壊した制度に嫌気がさすこともあるかもしれないが、今を作り出してくれた先代も悪意を持って今を作ったわけではない。先代がしっかりと仕事を紡いでくれたからこそ今がある。このことにはしっかりと感謝し、自分たちの制度を作り上げてくれ。

というメッセージだと感じています。

さらに飛躍させると現在、「テクノロジーを使わない=悪」という風潮から、「テクノロジーを使えない年上の人=無能」のように語る人は多いと思います。しかし、実際今の日本を作り上げてきてくれたのは今の50代・60代の方なわけで、その方たちをリスペクトしないことは浅はかであると言わざる得ません。

さらに、時代の流れとともに、時代に合った制度と合わない制度が出てくるのは当然です。その合わなくなった制度を通じて、先代をののしるだけで終わらず、自らの足で新たな道を突き進んでいきたいと思います。

最後に

映画って今2,000円もするんですね。。。なんか昔は、大人でもポップコーンとか買えば2,000円するけど、普通に見るだけなら1,200円とかそんな感じじゃなかったでしたっけ??

時代の流れを感じた三連休最終日(海の日)でした!それでは、明日から頑張っていきましょう!